もう卒業して10年が経ったけれど、私は青森で一人暮らしをしながら大学に通っていた。
キャンパスにはそりゃぁ大きな牧場が併設されていて、さまざまな畜舎、動物実験棟なんて建物があり、ありとあらゆる動物がいた。
微生物学とか動物解剖学とか、選択肢はいっぱいあったと思うんだけど、私が専攻したのが動物繁殖学ってやつで、その中でも「豚班」と呼ばれるチームに所属していた。
もちろん嫁入り前のうら若き(笑)女子4人で結成されたチーム・豚班は、朝からつなぎ&長靴といういでたちで豚舎に向かい、雄豚のアレをああしてこうして採取したアレを、顕微鏡で覗いては数を数えたり、状態をみたりして卒業論文をなんとか書いた。
(お菓子ブログにそぐわない内容のため伏字ばかりでスミマセン)
そんなことをしながら週末や連休を利用しては実家に帰り、就職活動なんかもしていたわけだけど、今でも強く印象に残っているのが、ガ〇ガ〇くんで有名な某アイス会社を受けたこと。
やっていた研究は豚のアレをナニして…(伏字も怪しい)っていう異質なものだったけど、
誰がなんといおうとそれは大きく分けて「食」というカテゴリーに入る研究だったので、この会社の商品開発研究部を希望してのチャレンジだった。
まず、一次試験では適性検査、ちょっとした学力テスト、そして面接なんかがあったと思う。
(あとは工場見学と〇リ〇リくんの新フレーバーの試食ね)
これは突破できたので次に二次試験。
二次試験はちょっと特徴的だった。
「入社したらどんなアイスを作りたいか」を自由に書け&描け、というもの。
(なんて書いたかまったく思い出せない)
そして「官能検査」っていう試験があった。
官能検査っていうのは、人間の感覚(視覚・聴覚 ・味覚・嗅覚・触覚など)を用いて、さまざまなもの(食品、化粧品等々)の特性を検査すること。
って書くと難しいけど、アイスの開発をするために必要な味覚、そして嗅覚がきちんと備わっているか、ということを確認するための検査だった。
まず、味覚については
ふたつのコップにそれぞれ砂糖水が入れられていて、味見してからどちらがより甘みが強かったかを答える。
これは比較的わかりやすく、自信を持って甘い方を答えられた。
そして嗅覚…
試験管が10本くらい並んでいて、端からすべて匂いを嗅ぎ、なんの香料がはいっているか答えていく。
これが、オレンジなのかグレープなのかアップルなのか、だんだん鼻が麻痺してわけわからなくなっちゃうのだ。
自分の鼻に全神経を集中させて考える。
ぱいん?ばなな?あ、これはバニラ…
鼻はふくらみ、目は泳ぎ、頭の中はぐるぐるぐる
そんな中、すごいわかりやすい香り!
こ、これは!もう間違いなく!!!
「抹茶です!!!」
どうして抹茶だけすぐにわかったのかというと、それは私が抹茶が苦手、だからなのでありんす。
苦手なものって、好きなもの以上に識別できたりするもんなんだなぁ
しかし、世の中には抹茶味が好きなひとって結構多い。
ショッピングモールで行列ができているから、なにかと思えば、抹茶ソフトクリームを買うための行列だったり…
one day rollの相方である我が妹も、これがまた大の抹茶好きで、抹茶味のスコーンやシフォンを作ったり、抹茶味のパンやらスイーツをわざわざ選ぶ…
自分では食べないけれど、ちょっと気が向いてお抹茶を買ってみたので、この抹茶好きな妹をうならせるためだけの目的で、抹茶ロールを作ってみた。
なんか和風なものを合わせてみたくて、中には大納言を忍ばせてみた。
抹茶味のお菓子というものを生れてはじめて作ったわけだけど、材料を用意している段階から、ずっと抹茶の香りが立ち込めていて。
そうそう これこれ! あの時の試験管の香り…と思い出したというわけでした。
…前置き 長!!
しかも、豚のナニが云々というくだりは全く必要がなかったんじゃないだろうか。
で、実際私の目の前でこの抹茶大納言ロールを食べた妹、一口食べて
「抹茶が すくない!!」とのことでした。
ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!
抹茶好きさんは、もっと濃厚な抹茶テイストを欲しているのね…
ほかにも、抹茶好きさんいますかー?
抹茶まだ残ってますから(笑)
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ああ、その某アイス会社の就職試験ですが、二次試験まで無事に突破したものの、
最終試験(重役面接)で見事にふるい落とされていまいました。
工場で試食したガリガリ君、実は見事に当たり棒だったんですけどね(・∀・)!
そして、現在に至る、というのが私の経歴です。
はしょりすぎ~